税務調査の現場から(その7)税務調査の注意点


Q. 税務調査を“ただ受ける”のではなく、“主体的に臨む”ための3つの視点とは?

A. これまでのコラムで、税務調査の各ステップを見てきました。これらを踏まえ、調査を“ただ受け身で迎える”のではなく、“主体的に、そして建設的に臨む”ために最も大切な3つの視点についてお話しします。

視点1:『手続きの“正当性”を静かに見守る』

 税務調査は、法律や定められたルールに則って行われるべき、厳格な行政手続きです。調査官の一つひとつの言動が、そのルールから逸脱していないか。私たち受ける側も、その手続きの正当性を冷静に見守る権利と責任があります。

視点2:『調査官の“目的”を深く理解する』

 なぜ、私たちの会社が選ばれたのか。調査官は、どんな仮説を持って今日の調査に臨んでいるのか。相手の属性や役割、質問の意図を注意深く観察し、調査全体の“ストーリー”を読み解くことで、対話の質は格段に上がります。

視点3:『使われる“調査手法”を予測し、備える』

 相手の目的が見えれば、次に打ってくる手、つまり使われる調査手法もある程度予測できます。その予測に基づき、あらかじめ客観的な資料を準備し、事実に基づいた最善の説明を用意しておく。これが、スムーズな調査を実現するための、何よりの準備となります。

 これら3つの視点を高いレベルで実践するには、税務調査の手続き、調査官の思考、そして多彩な調査手法を熟知した専門家の知見が不可欠ですので、最善の策は、「最良のパートナー(税理士)と共に臨むこと」となります。