税務調査の現場から(その6)調査結果説明、修正申告、税務署からの通知


Q. 税務調査の終わり方。修正申告で終わる場合と、最高の栄誉「是認通知」で終わる場合の違いとは?

A. お互いが納得する『調査の着地点』が見つかると、税務調査はいよいよフィナーレを迎えます。まず、調査官から法律に基づいた正式な『調査結果の内容説明』が行われ、ここから調査の終わり方は大きく二つに分かれます。

 一つ目は、『修正申告』で着地するケースです。 調査の結果、当初の申告内容に修正すべき点が見つかった場合、会社はその説明内容に沿った修正申告書を提出し、追加の税金を納めます。状況によっては、その後「加算税」の納付が必要になることもあります。これは、調査で指摘された点を真摯に受け止め、正しく申告をやり直す、いわば“正常な状態に戻す”ための手続きです。

 そして、もう一つが、多くの経営者が目指す最高のゴール、『是認通知』で終わるケースです。 これは「調査の結果、あなたの会社の申告内容は正しく、修正すべき点は何もありませんでした」という、税務署からのお墨付きです。正式名称は『更正決定等をすべきと認められない旨の通知書』と言いますが、この通知を受け取ることは、経理の正確さと誠実さを証明する、何よりの栄誉と言えるでしょう。

 このいずれかの手続きをもって、長く感じられた税務調査は、正式にすべて終了となります。調査は決して心地よいものではありませんが、自社の経理を見つめ直し、社会的な責任を再確認する貴重な機会でもあります。