Q. 「その電話」はいつ鳴る? 税務調査の“アポ取り”と、突然ドアを叩く“アポなし調査”の境界線
A. 調査官による水面下での『準備調査』が大詰めを迎えると、いよいよあなたの会社の顧問税理士のもとに、一本の電話が入ります。これが、調査の始まりを告げる“アポ取り”の連絡です。
通常、この電話は調査官が実際に会社へやって来る(税務署用語で『臨場』と言います)1ヶ月ほど前に鳴ることが多いですが、これはあくまで目安。ここから、実地調査に向けた最終準備が始まります。
しかし、ルールには必ず“例外”が存在します。
税務署の『特調班』や国税局の『資料調査課』といった精鋭チームが動くとき、この事前の電話はありません。彼らはある日突然、何の予告もなくあなたの会社のドアを叩くのです。これを『無予告調査』と言い、経営者にとってはまさに悪夢のような瞬間でしょう。
ですが、『アポなしなんて卑怯だ!』と慌てる必要はありません。
百戦錬磨の税理士は、この“突然の訪問”こそが『アポ取り』そのものなのだと冷静に解釈します。扉を開けた瞬間から、調査という名の交渉が始まるのです。
大切なのは、決して動揺しないこと。たとえアポがなくても、経験豊富な税理士に任せ、一つひとつ順を追って丁寧に対応すれば、必ず道は拓けます。