Q. 税務調査が、自社だけでなく“取引先”にまで及ぶって本当? 会社が最も避けたい「反面調査」とは。
A. はい、残念ながらそれは事実です。社内での調査だけでは事実確認が難しいと調査官が判断した場合、調査の範囲が会社の外、つまり取引先や金融機関にまで広がることがあります。これを『反面調査』と呼びます。
これは、例えば「自社が計上した仕入経費が、取引先の売上として正しく計上されているか」といった、取引の両側面を突き合わせて、内容の裏付けを取るための調査です。
もちろん、取引先に調査が入ることは、決して好ましいことではありません。事情を知らない取引先からは「何か問題があったのでは?」と、会社の信用に影響を与えかねない、非常にデリケートな問題です。多くの経営者が、これだけは避けたいと考えるのも無理はありません。
では、どうすればこの『反面調査』を回避できる可能性があるのでしょうか。 ここでも鍵となるのは、やはり“先回りの準備”です。
調査官から指摘されそうな取引について、あらかじめ契約書や請求書、納品書、領収書といった客観的な証拠書類を揃え、いつでも提示できるようにしておく。社内ですべての事実確認が完結することを調査官に示せれば、「わざわざ取引先まで確認に行く必要はない」と判断してもらえる可能性が高まります。
自社の潔白を、自社の資料で証明する。それが、大切なビジネスパートナーとの信頼関係を守ることに繋がるのです。