税務署は見ている(02)

第2回:行楽シーズンの「道の駅」にご用心。調査官が野菜のラベルを凝視する「職業病」

 休日、ドライブの休憩がてら立ち寄る「道の駅」や「産直施設」。 新鮮な野菜や特産品が並び、観光客で賑わうその場所に、もし鋭い視線で野菜を手に取る人物がいたら……それは、休暇中の税務署職員かもしれません。

 彼らは、晩ご飯の食材を探しているわけではありません。彼らがチェックしているのは、野菜の鮮度ではなく、パッケージに貼られた「生産者ラベル」です。

■ なぜ、野菜のラベルを見るのか?

  農業を営むご家庭では、主な出荷は世帯主(事業主)の名義で行いますが、道の駅や直売所での販売に関しては、配偶者やおじいちゃん、おばあちゃんの名前で登録しているケースが少なくありません。

 ここに、税務署が目を光らせる理由があります。 「これはお母さんの小遣い稼ぎだから」「自家消費の余りを売っただけだから」という感覚で、この家族名義の売上を、事業の正規の売上として申告していない(計上漏れ)ケースが意外にも多いのです。

■ 旅先でも発動する「調査官のセンサー」

  調査官にとって、道の駅は情報の宝庫です。 出張のついでや、あるいは完全なプライベートの旅行中であっても、ふと立ち寄った店で、ついラベルを確認してしまう。これはもはや、税務職員の「職業病」と言ってもいいでしょう。

 「あれ? 本当にこの名前で申告しているのかな……」

 その場での小さな違和感が、後日、税務署間で情報共有され、実地調査のきっかけとなることがあります。 何気なく貼ったそのラベル。税務署は、あなたの申告書と照らし合わせながら、しっかりと見ているのです。