必要な資材を必要な分だけ仕入れるのと同じように、税理士のサービスも「自社にとって本当に必要なもの」にお金を払うべきです。しかし業界には旧態依然とした慣習が根強く残っており、知らないうちに非効率な業務にお金を払い、経営者自身もその作業に時間を奪われているケースが少なくありません。
⒈毎月の作業に、見えないコストが乗っている
毎月のやり取りの中に、会計事務所側の都合とも言える儀式のような作業が混ざっていることがあります。
通帳コピーと手書きの補完:通帳をコピーし、内容を鉛筆書きで補足する作業
手書きの現金出納帳:会計事務所へ渡すためだけに作る現金出納帳
過剰な領収書チェック:経営判断には影響しない、形式的で重箱の隅をつつくような監査
これらは今の時代、クラウド会計システムや勘定科目の整理で自動化・省力化できる業務です。過剰なチェック作業は、会計事務所が仕事をしているフリを保つためのパフォーマンスにすぎないこともあります。
本来、経営に使われるべき時間が、こうした事務作業に奪われていないか。一度確認してみてください。
⒉使われない決算資料が混ざっている
決算時に受け取る立派なファイル。その中身が紙の無駄になっていないでしょうか。
転記しただけの報告書:e-Taxの受信通知を見れば分かる内容を、わざわざ作り直した書類
説明のない分析表やグラフ:渡されるだけで説明もなく、経営判断に使われない資料
事務所都合の証明書:顧客にはメリットがなく、会計事務所の実績作りのための書類
使われない資料を紙で印刷して渡すこと自体、筋が通りません。「見てもよく分からないグラフ」や「事務所の自己満足のための書類」にお金を払うのは、惜しい話です。
違和感は、税理士に伝えていい
思い当たることがあるなら、その違和感を税理士に伝えてください。
「この作業、本当に必要ですか」「この書類の代わりに、〇〇について相談する時間をもらえませんか」。こうしたやり取りができるかどうかが、顧問関係の質を決めます。切り出し方は、別のコラム「顧問税理士に何を頼めばいいか分からない方へ」で書きました。
望んでいない業務に費やされている時間とコストがあるなら、それを本当に必要なサービスへ振り替えてもらう。経営相談、正しい節税の提案、資金繰りの助言。同じ報酬でも、得られる価値は大きく変わります。
変わらないなら、替え時です
対話を重ねても、旧来のやり方を変えようとしない。顧客の声に耳を傾けてくれない。そう感じたら、関係を見直すタイミングです。
納得できないサービスに払い続ける報酬は、経営にとって静かなコストです。小さな金額に見えても、年単位で積み上がれば無視できません。
自分のビジネスを本当に理解し、必要な支えを柔軟に提供してくれる税理士は、必ず存在します。自社の経営に合うパートナーを選んでください。
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