税理士を探していると、「元国税調査官(国税OB)」という肩書きを目にすることがあります。
「国税OBの税理士は税務調査に強い」「顔が利く」と言われます。しかし、世間で思われているイメージと実際の現場には、大きな乖離があります。
⒈「税務署に顔が利く」「圧力をかけられる」は昔話
よくある誤解が、「OB税理士に頼めば、裏から手を回して税務調査を止めてくれる」「後輩に圧力をかけて追徴税額を減らしてくれる」というものです。
現在では、そのようなことはまずあり得ません。昭和や平成初期までの昔話です。今の税務署はコンプライアンスが厳しく、OBだからといって特別な手心を加えることはありません。
むしろ、私が現役の調査官だった頃から幹部職員になってからも、時代錯誤な「先輩風」を吹かせてくるOB税理士が稀にいましたが、現場ではスルーされていました。
「私に任せれば顔が利くから大丈夫」と豪語する税理士がいたら、警戒したほうが良いでしょう。実現しない約束をしている時点で問題です。そのうえ、仮に本当に働きかけようとしているのであれば、それは依頼した会社を危うくする行為です。
⒉OB税理士の本当の武器は「公務員的思考」
国税OBに依頼する意味は、コネではありません。「公務員的思考」と「税務署側の思考回路(ロジック)」を熟知していることです。公務員的思考については、別のコラム「「公務員的思考」と「経営感覚」の違い」で書きました。
彼らは長年、調査をする側の人間として生きてきました。「調査官がどこを見ているか(視点)」「どのような証拠を出せば納得するか(ツボ)」「上司にどう報告すれば決裁が下りるか(組織の論理)」。これらが手に取るように分かるため、調査官の質問の意図を瞬時に理解し、相手が納得しやすい回答を返せます。
この「あうんの呼吸」で調査をスムーズに進められる点が、国税OBの強みです。
⒊「国税OB」の肩書きだけでは選べない
国税OBなら誰でも税務調査のプロフェッショナル、というわけではありません。
現場経験が少ない「名ばかりOB」
国税局という巨大組織には、総務、内部、徴収など、税務調査とは無縁の部署もたくさんあります。
「国税OB」という肩書きがあっても、現場での調査経験がほとんどない方や、管理職が長くデスクワークばかりだった方もいらっしゃいます。元国税だからといって、現場の泥臭い交渉が得意とは限りません。
面談で「どの部門に何年いて、どのような仕事をされていましたか」と聞いてみてください。答え方で、現場にいた人かどうかは分かります。
ITツールに弱い場合がある
長年の公務員生活を経て開業した税理士の中には、最新のクラウド会計ソフトやチャットツール、SNSなどのIT活用が苦手な方も少なくありません。
「調査には強いが、日々の経理効率化やスピーディな連絡ができない」というケースも散見されます。この点は、若手の非OB税理士のほうが明らかに優れています。
まとめ
税理士選びで大切なのは、「国税OB」というブランドではなく、今のあなたのビジネスに合ったサービスを提供してくれるかどうかです。
面談のときは、次の点を確認してください。
・どの部門に何年いて、どのような仕事をしていたか
・具体的にどのような調査対応をしてくれるのか(実務の話ができるか)
・こちらの業界やITツールへの理解はあるか
・話しやすく、相性が良いか
「元国税だから安心」で決めず、実際に会って話をして、ご自身の目で見極めてください。
「税務調査の不安、抱えていませんか?」
税務調査を知り尽くしたプロが、あなたの会社を守るための「盾」となります。
まずは無料相談で、今後の対策を一緒に考えましょう。
[税務調査対応・無料相談の詳細はこちら]